福田を去る

自分は何をしていたのだろう…。
福田というヴァーチャルが与えてくれる世界に、どっぷり漬かり込んでいた。
傷を癒すことを口実に、楽しいと思えることだけを選んで、暮らしてきた。
それを後悔するわけではない。むしろお客の皆さんには感謝していると言っていい。
しかし、覚めない夢が悪夢に変質する前に、わたしは福田を去りたい。
たぶん、「卒業する」などと言っても、板などがある限りどうしても行ってしまうだろう。
でももう自分に福田は必要無い。むしろ悪影響を受けすぎている気がする。
なのに惰性で今日も訪れてしまう。


趣味の話がしたい、自分の異質性を許容してもらえる場が欲しいというのが自分の願いだった。
具体的に書こうか。本質的に、アニメやゲームなどのサブカルチュアが好きなのが自分である。
最近は枯渇したけれど設定を考えることも好きだった。小説も2年前までは書いていた。
でも、気づくと自分は一人ぼっちのような気がした。誰も話を聞いてくれない。
誰かに認めて欲しい。
それを叶えてくれたのが、ネットの片隅に存在する福田だった。
しかし、段々と(本当に少しずつではあるが)福田以外の場でも、素を出すのが恐ろしくなくなってきているような気がする。
気がするだけなのかもしれず、現実は何一つ良くも悪くもなっていないのかもしれない。
人に嫌われることはとても怖い。
今ですら、「同人界」(敢えてかぎかっこ)から仲間外れにされていると感じれば、どうしようもなく苦しいと感じてしまう自分がいる。
でも、少し離れて考えることができるようになって、その苦しさには理由が無いのかも、と思い至れるようにもなった。


就職試験の為に仕方なく勉強をし始めた。遅すぎることなんて分かっているけれど。
久しく忘れていた「勉強」にあまり意義を感じられず、少し苦痛なのだが、その苦痛と戦いながら、徐々に昔の自分に戻って行けたら良いと思う。